薄毛にまつわる都市伝説の一つ「酸性雨」=「ハゲ」の関係を一度は聞いたことがあるのでは無いでしょうか?
私も20年以上前の話になりますが小学校の担任に「酸性雨は禿げるんだぞ!」と理科の授業で教わりました・・・ちなみにその先生も禿げでしたので小学生だった私はそれを鵜呑みにしていた記憶があります。
それだけ昔からある噂ですが何故酸性雨で禿げると言われていたのでしょうか?また本当に禿げてしまうのか?気になりますよね。
ここではその様な疑問を科学的に考えて信憑性の有る無しを解説して行きたいと思います。
- 酸性雨とハゲの関係性・真偽
- 酸性雨とは?
- PHに関する情報や雑学
酸性雨と薄毛の方程式は成り立つのか?
結論から言えば酸性雨とハゲは関係無いと言えるでしょう。
ハゲと関係無いと言える理由や酸性雨がどの様な状況で発生した物なのかは後ほど説明するとして、まず私が先に言いたいのは「教師が信憑性の無いこと言わないでよ…」と言うことです。笑
まあ今となっては今回の様にネタとして使えた為「青春時代の良き思い出」として良かったと思います。
ですがあの担任の一言でインターネットが普及していない時代でしたがSNS並に拡散された事は間違いないでしょう・・・
酸性雨がハゲと関係無いと何故言える?科学的理由と噂の発端について
何故「酸性雨」がハゲと関係無いと言えるのか?それは人の皮膚が弱酸性で保たれているのが理由となります。
日本で降る「酸性雨」には地域差があり、それでも大体「PH4~6」の雨が降ると言われていますが特に問題はありません。※PHの知識については後ほど説明
むしろ頭皮がアルカリ性に傾く方が禿げると言えますのでこの噂の信憑性は皆無であると言えます。
アルカリ性で何故禿げる?
「酸性」≒「殺菌作用」の関係が成り立つ為です。
頭皮がアルカリ性に傾く事で「免疫力低下」から「常在菌の増殖」などから頭皮環境が悪化し「悪臭・べたつき」と髪の毛の成長を阻害し、禿げへ誘うと言えるでしょう。
もちろん酸性雨の影響は無いと言えますが濡れたまま放置することで頭皮環境が悪化しそれもまた禿げの原因になりかねませんので、濡れた髪はきちんと乾かす様にしましょう。
また、豆知識となりますがアルカリ性に偏らせると髪の毛のキューティクルが広がってしまい痛みやすくなりますので出来るだけ頭皮は弱酸性を保つ様に心掛ける事が重要です。
酸性雨で禿げると言う噂が流れた理由
火のないところに煙は立たないと言われていますので何故その様な噂が流れてしまったのか?
主な理由には下記2つが上げられますので予備知識として付けて行きましょう。
「酸性雨=禿げ」噂理由
- 髪の毛が溶ける
- ゴミやフケが毛穴に詰まる
それぞれ詳しく説明して行きます。
髪の毛が溶ける!?何からその連想が生まれたのか
溶ける連想のネタとは?
- 酸は溶ける
- 大気汚染関連
酸は物を溶かすと思いの方も多いのでは無いでしょうか?これをそのまま「=」で繋いでしまうとその様に勘違いしてしまうかも知れませんね。
ですが前述でお伝えした通り日本で降る「酸性雨」は低くてもPH4(最近では観測されて居ない)ですので弱酸性の分類となります。
ですので酸性雨程度では髪の毛は溶けたりしませんので安心して下さい。むしろ強い酸性雨であればまず髪の毛よりも頭皮が爛れたりします。笑
更にこの噂に滑車を掛けたのが「大気汚染問題」です。
酸性雨による大気汚染問題は世界的に問題視されており国際的問題であると認識しています。
主な被害としては「森林破壊」「野生生物の減少」などが挙げられます。大気汚染問題が気になる方はググってみると良いでしょう。
酸性雨は大気汚染問題に関与し何処と無く「頭皮に悪そう」と言うイメージから薄毛暗黒時代「根拠の無い薄毛対策が流行った時期」に煽り文句で酸性雨ハゲが流行ったと考えられます。
騙され多額のローンを組み、残念ながら薄毛を改善出来なかった方が多かった為「薄毛暗黒時代」と私は呼んでいます。
ゴミやフケが毛穴に詰まる
雨に濡れることでフケやゴミが流れ落ち毛穴に詰まると言うのは確かに薄毛の原因に成りかねませんが別に酸性雨に限った話では無いと言えるでしょう。
ですのでここでの正しい解釈は「酸性雨⇨毛穴が詰まる⇨禿げる」では無く「濡髪放置⇨頭皮環境の悪化⇨禿げる」と言うのが最も適していると言えます。
後考えられる物としては「酸性雨によって皮脂が溶け毛穴が詰まるのでは?」と言う意見がありますが皮脂は油で融点が高いのが特徴ですので余り関係ありません。(大体42℃程度)
更に頭皮自体は弱酸性に保たれて居ますのでそこに酸性雨で濡れたとしても全く問題無いでしょう。
酸性雨の発生機序について解説
酸性雨の発生機序は主に我々人類が生み出した人工産物から排出される「硫黄化合物」「窒素酸化物」が原因と言われています。
これら化合物や酸化物が大気中で光化学反応を起こし雨や霧・雪などに溶け込むことで酸性雨となり地上に降り注ぐ仕組みです。
人工産物
- 自動車の排気ガス
- 火力発電所
- 大規模火災など
- 火山の噴火(人工では無いが酸性雨に関与)
頭皮や髪の毛自体に大きな影響をもたらすことはありませんが人間が食す「魚」や「森林被害」「建造物劣化」「コンクリート破壊」などには大きな影響を与えますので是非これを期に「大気汚染問題」を知識として理解しておくことは良いことかと思います。
細かく知りたい方は気象庁のHPをご覧下さい。
その為に電気自動車や水力発電など化学物質を出さない取り組みがなされている訳ですね。
大気汚染により将来魚が食べれなくなれば禿げる原因にもなりかねませんので是非「大気汚染問題」を国を挙げて攻略して頂ければと思います。
【番外編】酸性雨の特性であるPHについて理解を深める
科学の授業で習った事もあるかと思いますが簡単におさらいをしてみましょう。
私は「ペーハー」と呼んでいますが「ピーエッチ」と呼ぶ事もありどちらも正しい呼び方となります。
酸性雨と言う言葉を分解して見ると分かるのですがPH的に「酸性」に偏った状態の雨のことを酸性雨と呼んでいます。
PHの理解
- PH:0~6 酸性
- PH:7 中性
- PH:8~14 アルカリ性
PHとは液体の性質を表す単位です「水素イオン指数」とも呼びます
日本で降る酸性雨は大体4.0~6.0で大体人間の表皮と同じと考えて良いでしょう。
ちなみに人間の体のPHは場所によって変わってきます。
【PH】人間の体編
- 胃:PH1.5~2.0(強酸)
- 皮膚・肌:PH4.5~6.0(弱酸性)
- 血液:PH7.35~7.45(弱アルカリ性)
- 汗:PH7.0~8.0(弱アルカリ性)
実はこれだけPHって身近な存在で有り、場所によって大きく異なります。
【雑学1】アルカリ性食品は健康や髪の毛に良い?
人間の血液は「弱アルカリ性」・・・良くメディアでも野菜は多く摂ったほうが良いと言われているし「アルカリ性食品」を沢山摂取すれば健康的かつ髪の毛にも良いのでは?と考えがちですが答えはNoです。
髪の毛を構成する成分は私達の摂取したものから補われ、酸性食品に分類される「肉」などもタンパク質やビタミンなどの関連から必要な食材ですので摂取しなければ成りません。
では菜食主義者は禿げるのか?健康に悪いのか?と言うとそうでもありません。正しい栄養学の知識と食材選びや料理方法を学ぶことが出来ればベジタリアンでも健康的で良い生活が送れる事が出来ます。
ただその様な知識を有する方は限られていますし余り実践的では無い為「バランス良く栄養を摂取する」事が推奨されていると考えましょう。
これから言える事は「アルカリ性食品」が体に良い「酸性食品」が体に悪いと言う話では無く、普段の食事は偏り無くバランスの良い物を摂取する事が髪の毛にも健康的にも良いということを覚えて置くと良いですね。
タンパク質・脂質・糖質とバランス良く摂取することが生命維持に良い影響を与えているのは間違いありませんので余り深く考えず「バランス良く食事をしよう」と日頃から肝に銘じて頂ければと思います。
【雑学2】胃腸が健康でなければ髪の毛の栄養素は得られない
「仕事終わりに軽く一杯行こうか!生一つ!」日常生活の中でも仕事終わりのお酒は至福の時ですよね。
ですが生ビールはPH4.0前後で酸性物質に含まれる為それを甘味した食事を考える必要があります。
胃はPH2前後で保たれていますがこれを大きく下回る極度の強酸になれば胃であろうと障害が起こってしまう可能性があるからです。
焼き肉とビールは最高の組み合わせですが胃にとっては最悪の組み合わせと言っても良いでしょう。酸性食品を摂取する際は必ずアルカリ性食品も一緒に摂取することをお勧めします。
吸収作業は腸で行うのですがそれはきちんと分解されていることが前提です。
また、胃酸の過剰分泌は腸の組織に悪影響を及ぼし様々な病気の原因になったりしますのでお酒の飲み方には注意した方が良いと言えるでしょう。
【まとめ】酸性雨では禿げないが対処の仕方によっては問題有り
酸性雨=ハゲ【まとめ】
- 地上に降り注ぐ酸性雨は頭皮や髪に問題は無い
- 濡れた髪を放置する事で禿げる可能性はある
- 大気汚染問題から魚が採れなくなれば栄養素的に禿げる可能性はある
結論としては酸性雨では禿げないと言えます。
もし自分が酸性雨で禿げてしまったのでは!?と思った方はそれよりも他に原因は無いか確認すると良いですね。