シャンプーの目的とは「汚れを落とす事」これに限ります。そう、全ては洗浄成分でシャンプーの質は決まってしまうのです。(極論)
もちろん「抜け毛対策・臭い対策・ダメージ対策など」とても大切ではあるのですが自分の頭皮に必要な洗浄力を見つけることが最優先事項となります。
もし、この最優先事項をおろそかにしてしまえばいくら「育毛成分」「毛髪補修成分」が配合されていようと全てが台無し…無もしくはマイナスとなるでしょう。
今回はシャンプー選びに成分の特性が気になる方もいらっしゃるかと思いますのでまとめてみました。是非参考にしてみて下さいね。
シャンプーの成分確認に移る前にお伝えする大切な事と豆知識
基本的にシャンプーには複数の界面活性剤が含まれている事があります。
主剤に何が使われているかでそのシャンプーは「○○系シャンプー」と判別されますが実際にはアミノ酸系シャンプーでも石鹸系が混じっていたり
はたまた高級アルコール系成分が含まれている事もありますのでその辺にも注意して見てみてると良いでしょう。
まああくまで主剤がメインで配合量も多く含まれていますのでそこまで気にすることもありませんが補足としてお伝えしておきます。
例えばベースに使用している成分だけでは洗浄力が足りない場合など、他の成分で補ったりすることがあります。
これからお伝えする内容はあくまで一つの成分に対する特性ですので「髪がごわごわするのはこの成分が原因なのかな?」程度の参考にして頂ければと思います。
【騙されてはいけない!】シャンプーの見分け方
先にお伝えしておくと「アミノ酸系シャンプー」と「アミノ酸配合シャンプー」は別物です。
主な違いは先ほどお伝えした洗浄成分である「界面活性剤の違い」となりますので騙されない様にしましょう。
成分表は成分の多い物から表記されていますので一番最初に「水」その次の成分が「界面活性剤」となります。※例外も有り
アミノ酸シャンプー見分け方
主な見分け方は成分表に記載されている「界面活性剤」の種類で判別可能。
アミノ酸配合シャンプー:ラウリル硫酸Na、ラウレス硫酸Na
アミノ酸シャンプー:ラウロイル~、ココイル~、~ペタインなど
アミノ酸配合とは「少なくても成分が入っていれば:アミノ酸配合」と言う言葉が使えます。
実際の洗浄成分は高級アルコール系である可能性もあるので勘違いしないようにしましょうね。
シャンプーの基礎!洗浄成分を大きく分けると3種類
主軸となる洗浄成分ですが主に下記の3種類に分類されます。
洗浄成分分類
- アニオン界面活性剤(陰イオン)
- 両性界面活性剤(陰イオン・陽イオン)
- ノニオン界面活性剤(非イオン)
まず界面活性剤を図で表すとマッチ棒の様な形をしています。これがシャンプーの中には多数存在すると考えて下さい。
棒の部分が「親油部」、先端が「親水部」と呼ばれ、この先端部分である親水部がマイナス荷電であれば「アニオン界面活性剤」と呼ばれ、プラスとマイナス荷電を有するものを「両性界面活性剤」と呼ばれています。
ちなみにアニオン界面活性剤の方が高い洗浄力を持っているということを覚えて置くと良いですね。もう少し科学について詳しく知りたい方はこちらのサイトが分かりやすかったのでご確認下さい。
とりあえず基礎を抑えておくと今後シャンプー選びにも味が出てくると思って説明加えさせて頂きました。
大まかな分類表を載せておくのでこちらは確認しておいて下さいね。更に後ほど細かく説明加えて行きます。
アニオン界面活性剤の種類・成分・効果などの詳細について
アニオン界面活性剤は細分化すると以下のようになります。
アニオン界面活性剤
- アミノ酸系
- PPT系
- タウリン系
- 石鹸系
- コハク酸系
- 高級アルコール系
アミノ酸系洗浄成分の詳細
今流行りのアミノ酸系シャンプー・・・選んでおけば間違い無い!とは言い切れませんが最低保証にはなるかと思います。
低刺激かつ保湿性に優れ、髪の毛がしっとり仕上がりやすいというメリットがあります。
ただしアミノ酸は髪の毛に残留しやすい性質があります。残留したアミノ酸は保湿作用があるのですがまれに「敏感肌」の方などはアミノ酸成分を異物と認識し痒みが出ることがありますのでしっかりとお湯で落とすようにしましょうね。
余談ですがアミノ酸系シャンプーは洗浄力が弱いという噂がありますが実際は「弱洗浄力~強洗浄力」までありますので勘違いしないで下さいね。
では実際にアミノ酸に分類される成分を確認して行きましょう。
グルタミン酸系
【代表的な成分】ココイルグルタミン酸Na、ラウロイルグルタミン酸Na
【特徴】低刺激・低洗浄・泡立ち控えめ・しっとり仕上がり
アラニン系
【代表的な成分】ココイルメチルアラニンNa、ラウロイルメチルアラニンNa
【特徴】低刺激・適度な洗浄・泡立ち控えめ・さらさら仕上がり
グリシン系
【代表的な成分】ココイルグリシンK
【特徴】低刺激・強洗浄・泡切れ良い・軋みやすい
サルコシン系
【代表的な成分】ココイルサルコシンNa、ラウロイルサルコシンNa
【特徴】中刺激・高洗浄
イセチオン系
【代表的な成分】ココイルイセチオン酸Na、ラウロイルイセチオン酸Na
【特徴】低刺激・中~強洗浄
アスパラギン酸系
【代表的な成分】ラウロイルアスパラギン酸Na、アシル(c12.14)アスパラギン酸TEA
【特徴】低刺激・中洗浄・さっぱり系仕上がり
タンパク質(PPT)系洗浄成分
【代表的な成分】ココイル加水分解コラーゲンNa、ココイル加水分解シルクNa
【特徴】低刺激・低洗浄・補修系洗浄成分・しっとり仕上がり
大きなメリットはシャンプーするだけで髪のダメージケアをしてくれる所です。
更に言えば頭皮に優しくアミノ酸系シャンプーよりも髪の毛に質感を与えてくれるのでシャンプー利用で軋む・ゴワゴワする方にはお勧めです。
最大のデメリットは洗浄力が極端に低い事と価格が高いことです。
タウリン系洗浄成分
【代表的な成分】ココイルメチルタウリンNa、ラウロイルメチルタウリンNa、ココイルメチルタウリンタウリンNa
【特徴】低刺激・中洗浄・しっとりさらさら仕上がり
適度な洗浄力ときめ細かい泡立ちが特徴の界面活性剤。
天然由来の成分で人体を構成するアミノ酸とよく似ている為「低刺激かつ安全性の高い成分」と言えるでしょう。もちろんダメージヘアの方にもお勧めです。
デメリットとしては成分的に高価であるという点です。ですがそれ以外大きなデメリットは存在しないのでお勧め出来る成分であることは間違いありません。
石鹸系洗浄成分
石鹸系は「アルカリ性」「酸性」にタイプが分けられていますのでそれぞれ確認して行きましょう。
アルカリ性石鹸系
【代表的な成分】カリ石ケン素地、石ケン素地
【特徴】強刺激・強洗浄・生成分解性に優れている・アレルギー体質に有用・ごわつき仕上がり
アルカリ性石鹸系シャンプーはとりあえず頭皮ダメージを考えると余り頻繁に使用する事はおすすめできません。
ですが他の界面活性剤に比べ、生成分解性に優れ原料が石ケン素地が主なので「アレルギーリスクが低い」と言う点では安全性が高いと言えるでしょう。
洗浄力が強いのでヘアワックス利用者の方などは定期的に利用して行きたい成分ですね。
酸性石鹸系
【代表的な成分】ラウレス-4酢酸Na、ラウレス-4カルボン酸Na
【特徴】低刺激・強洗浄・さらさら~やや軋み仕上がり
酸性石鹸は強洗浄なのに低刺激という成分特質から主に頭皮ケア目的の「スカルプシャンプー」などで利用されています。
コハク酸系洗浄成分
【代表的な成分】スルホコハク酸ラウリル2Na、スルホコハク酸(c12-14)パレス-sNa
【特徴】低刺激・強洗浄・軋みやすい
酸性石鹸は強洗浄なのに低刺激という成分特質から主に「頭皮ケア」や「スカルプシャンプー」などで利用されています。
高級アルコール系洗浄成分
【代表的な成分】ラウレス硫酸Na、ラウリル硫酸Na、(c12.c13)パレス-3硫酸Na
【特徴】中~高刺激・強洗浄・軋みやすい
【メイン商品】安い市販シャンプー類
成分の原価が安いのでお財布に優しいシャンプーとなります。
頭皮・髪にダメージが残る可能性が高いので余りおすすめはしておりません。特に乾燥肌や敏感肌の方は注意しましょう。
オレフィン系洗浄成分
【代表的な成分】オレフィン(c14-16)スルホン酸Na
【特徴】中刺激・強洗浄・軋みやすい
【メイン商品】安い市販シャンプー
こちらも高級アルコール系シャンプー同様にお財布に優しいシャンプーです。
高級アルコール系シャンプーの代替品としてよく使われています。
両性界面活性剤の種類・成分・効果などの詳細について
こちらはとても洗浄力が高い「アニオン界面活性剤」とリンス成分である「カチオン界面活性剤」の両方を併せ持ったハイブリッド型洗浄剤です。
カチオン界面活性剤は説明を加えていませんでしたので簡単にお伝えすると「陽イオン」ですのでマイナス荷電された髪の毛をプラス荷電にして整えてあげる作用があります。
リンスをすると「まとまり感」や「指通りが良くなる」などが得られるのはこの為です。
非常に低刺激なので主成分として利用される事もありますが「副成分」としても含まれることが有り応用の効く頭皮に優しい成分であると言えるでしょう。
両性界面活性剤
- ベタイン系
- アミノ酸系
ベタイン系洗浄成分
【代表的な成分】コカミドプロピルベタイン、ラウラミドプロピロベタイン、ココアンホ酢酸Na
【特徴】低刺激・低洗浄
アミノ酸系洗浄成分
【代表的な成分】ラウラミノプロピオン酸Na、ラウリミノジプロピオン酸Na
【特徴】低刺激・低洗浄・しっとりさらさら仕上がり
ノニオン界面活性剤の種類・成分・効果について
ノニオン界面活性剤は他の界面活性剤の様にイオン性が無いため「髪の毛や頭皮に残らない」特質があります。
なので「泡切れが良い」「残留性が無い」等の理由から非常に低刺激な洗浄成分と言われています。
グルコシド系
【代表的な成分】デシルグルコシド
【特徴】低刺激・強洗浄・軋む
【代表的な商品】
洗浄力は強力なので主成分にデシルグルコシドが利用されていると髪の毛が軋みやすい特徴があります。
低刺激な為「お子様用」「無添加」「オーガニック系」の主剤として扱われれ主に海外製品に主剤として使われています。
【まとめ】成分で確認するのも良いがある程度の知識は必要
それぞれ成分別で特徴や商品を紹介させて頂きました。
極論から言えば高級アルコール系でも自分に合っているのなら問題無いと言えます。※頭皮ダメージは計り知れないので将来的に禿げてしまう事、抜け毛増加につながる可能性は有る
成分はとても重要ですが一番大切な事は「自分頭皮と髪に合った物」を選ぶ事ですので「それなりの知識」「正しい自己評価」が出来ないとシャンプーを選ぶことは困難かと思います。
ましてや髪のダメージや頭皮環境など個々によって間違いなく違いますからね。他の評判なんてほとんど宛に出来ません。(そんな事言って使用者Review書いているのは内緒…笑)